2010年05月07日

08年雨に煙る大阪もまた良し【小説「阪急電車」】

‘私的’、小説「阪急電車」

1207055468_1.jpg

プロローグ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 阪急宝塚駅は、梅田(大阪)へ直接向かう宝塚線と、神戸線へ連絡する今津線とが『人』の形で合流している駅だ。
 これにJR宝塚線も乗り換えができるようになっており、やや田舎の山間としては鉄道三線が合流するささやかに大きいジャンクションとなる。
 関西圏では大きな私鉄グループとなる阪急は、えんじ色の車体にレトロな内装が個性的な車両を各沿線に走らせており、鉄道マニアの人気が高いことはもちろん若い女性からも「かわいい」と好評を博している。
 女性観光客などは「オシャレ!」とびっくりするほどだ。

 そしてこの物語は、そんな阪急電車各線の中でも全国的知名度が低いであろう今津線を主人公とした物語である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 著者 有川浩 発行所 株式会社 幻冬舎
 小説 「阪急電車」より冒頭を記す

-------------------------------------------------------------

‘私的’、小説「阪急電車」 その1

◎小説「阪急電車」
 宝塚駅

・・・その日、征志が宝塚駅から隣り合わせて座った女性は、征志から一方的に見覚えのある人だった。

有川浩著 「阪急電車」8ページより抜粋す。

○‘私的’、小説「阪急電車」
  宝塚駅
 
 JR宝塚駅を降りた私は阪急 宝塚駅を目指した。
 目指すと言っても、両駅は道路を挟んで対峙するかのように存在しているので迷いようも無い。
 JR宝塚駅が建て替え中なのは、阪急を意識しての事であるのはJRは認めたがらないだろうが動かし難い事実だろうと思う。
 
 私の目の前にある阪急 宝塚駅は、それはそれは立派な駅で堂々と存在している。JRとしては負けられないという気持ちになっても不思議ではあるまい。

 阪急 宝塚駅の改札前のコンコースは人が引切り無しに歩き拠点駅としての活気に溢れている。

 イコカを「ピッ!」とタッチして駅構内に入る。
 階段を上がりホームへ出る。
 ホームには梅田行きの急行電車と、お目当ての西宮北口行きの電車が待っている。
 今津線の電車に乗り込む。車内は程良い混み具合だ。
 ほどなくして発車する。


◎小説「阪急電車」
 宝塚南口駅

・・・滑り込んできた西北行きの電車に乗り込んだ翔子は、威嚇のようにヒールの音を鳴らしながら車両に入った。
 車内はこんではいないが空席はほとんどが埋まっており、白いドレスを着ていた翔子は扉の近くに立った。

有川浩著 「阪急電車」20ページより抜粋す。

○‘私的’、小説「阪急電車」
  宝塚南口駅

 宝塚駅から宝塚南口駅までは‘同じ駅構内か’と思うほど近かった。
 それこそ文字通り‘あっという間’に着いたのが宝塚南口駅だった。

 電車を降りる。ホームから宝塚ホテルが見える。
 「ここが宝塚ファン御用達のホテルか」と妙な感心をする。

 階段を下って改札口を出る。
 改札口から先には幾つか店舗がある。ブテッィクなどが見えて中華料理店を見つけた途端にハラが「グゥ〜」と鳴った。
 時計は14時を示している。そう言えば昼御飯をまだ食べていなかった。

 迷う事なくこの中華料理店に飛び込む。
 五目汁ソバ950円を頼む。他には楽しげに談笑しながら食事をする家族連れ4人。おばさんが3人。
 
 出てきた五目汁ソバは塩味の透明なスープのソバで大変に美味である。
 夢中になって啜っていると、外から「ザァー」という音が微かに聞こえてきた。窓の外を見ると何と猛烈な雨が降っているではないか。

 「あちゃー、さっきまで降っていなかったのになぁ。通り雨で直ぐに止むだろうか」

 しかしソバを啜り終えてスープを飲み干しても雨は止まなかった。
 かなりの雨足。この雨の中を駅ごとに降りて駅周辺を散策するのは辛すぎる。
 泣く子と何とかには勝てないの喩えの通り、仕方がない、予定は変更しよう、なぁに又来ればいいさと中華料理店を後にする。

 また今津線電車に乗って西宮北口駅を目指す事にする。

-------------------------------------------------------------

‘私的’、小説「阪急電車」 その2

 と、言う訳でして、私が大好きな小説、有川浩さんの小説「阪急電車」の舞台となった阪急今津線の各駅を散策したいという想いは、雨によって打ち砕かれてしまいました。

 時江が孫娘と一緒に電車に乗った逆瀬川駅も、翔子が「ああ、確かに。いい駅で、いい街だ。」と思った小林駅も、ミサが彼氏のカツヤに愛想を尽かし「帰ろ」と思った仁川駅も、落ち込んだミサの前で何段オチかわからないしかも特大級のオチが有る‘笑える’話をしたえっちゃんとその友達が乗り込んできた甲東園駅も、乗り込んでくる乗客の圧力によって運命の出会いを果たした圭一と‘ゴンちゃん’のくだりが有る門戸厄神駅も下車して見る事は叶いませんでした。

 雨が降りしきる中を走る電車の中から眺めるだけになってしまったのが残念無念。

 しかし何時の日にか各駅を散策してみたい、絶対に。
 再チャレンジを固く心に決めたのでした。

------------------------------------------------------------
1207135932_1.jpg

‘私的’、小説「阪急電車」 
〜次は終点 西宮北口、西宮北口。終点でございます〜

◎小説「阪急電車」
 西宮北口駅

・・・そして翔子はコンコースへの階段に向かった。

・・・さ、別れると決めたらさっさとしょう。
   未練で揺れていた心が「えっちゃん」たち女子高生の楽しげな雑談で固まり、ミサの足取りにもう迷いはなかった。

・・・左側から降りたい乗客の圧力に押されるまま、圭一もゴンちゃんもドアが開くのを待っていた。

有川浩著 「阪急電車」99ページ〜102ページから抜粋す。

○‘私的’、小説「阪急電車」
  西宮北口駅

 電車は静かに西宮北口駅へ滑り込み停車した。
 ドアが開く。ホームへ降りる。その瞬間に少し体が濡れる。

 電車とホームの屋根の僅かな隙間から降り注ぐ雨だけで結構濡れるのだから相当に激しい雨である。

 私も翔子が上がって行ったと思われる階段を上がって行く。
 ここも人の行き来が多い。
 神戸線のホームへ降り、梅田行きの急行に乗る。

 さらば阪急今津線、私が再度来るまで小説の世界が残っていますように。


「都市の景観と躍動」トップに戻る
posted by 松村和弘 at 14:09| Comment(0) | 上阪感想記15 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。