2010年08月17日

大阪圏鉄道沿線別現況レポート:JR神戸線(1)

最初にJRに敬意を払って、JR神戸線からのスタートとしょう。
スタートは大阪駅5・6番線から。
ラッシュ時以外の日中のJR神戸線の電車は新快速・快速・普通ともにこのホームから発着している。ひとつとなりの3・4番線は昔から長距離列車ホームの名残りをとどめるが、今はJR宝塚線を主体としたホームになっている。
長く続いた大阪駅の改良工事も、来春3月の全面開業に向けてすでに佳境を越えており、見上げると巨大なドーム屋根に覆われている。いやがうえにも期待が盛り上がるようだ。

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とりあえず、変貌いちじるしい尼崎まで行ってみることにする。私の場合は天王寺からの乗車になるのだが、気をつける必要があるのは三ノ宮・神戸や、京都まで通す場合は一旦大阪駅で下車して、切符を買い直した方が安くなる。
これは大阪−西明石間に電車特定区間を適用しているのと、さらに、国鉄末期に私鉄運賃との差を縮めるために、割安の運賃に設定された経緯がある。
大阪−三ノ宮・神戸間は390円、天王寺−三ノ宮間(通し)は690円、天王寺−大阪間190円を足しても、天王寺−三ノ宮間(大阪下車・乗換え)は580円の計算になり通しよりも安い。
当時国鉄は運賃値上げを繰り返し、私鉄との差が開くばかりだったので、競争力がいちじるしく低下していた。民営化以後JRになってからの運賃値上げはない(消費税導入を除外)。
なお、天王寺−大阪間の運賃も、東京の山手線と大阪環状線で特別の運賃が適用されている。以下の通り。

営業キロ:山手線内(左)・大阪環状線内(右・JR東西線を除外)
 01〜03km 130円 120円
 04〜06km 150円 160円
 07〜10km 160円 170円
 11〜15km 190円 190円
 16〜20km 250円 250円
これによると、初乗りは大阪が120円と安いが、4km〜10kmまでの中間帯で東京の方が安い。
こうした制度は大阪で先行したのだが、導入は東西同時だったと記憶する。東京でも私鉄との格差が目立ち過ぎたのだった。
大阪環状線の場合は当時、大阪地下鉄の運賃が意識された。その後、大阪市営地下鉄の値上げが続いて、運賃は逆転してしまった。

最近の大阪周辺の鉄道界は話題に欠けるきらいはあるが、今回のJR神戸線はバリバリの一級線になるだろうか。線形のよい複々線と高速運転によって、民営化後一気に私鉄を引き離した。新快速人気と、とくに阪神大震災後の復旧で差がついたといわれる。
国鉄時代、外側線は本社直轄となっていて、大阪鉄道管理局は自由にダイヤ設定ができなかった。それが分割民営化で使えるようになった。新快速は外側線を走ることで、普通(緩行)にじゃまされることなく高速運転できるようになった。

新快速は大阪−三ノ宮間無停車から、尼崎・芦屋にも停車することになったが、130km/h運転によって所要時間を20分に吸収している。
鉄道経営のプロとしてJR西日本の経営意識は上がり、鼻息の荒さが目立ったが福知山線事故により、安全性優先などもあって、所要時分が1分程度延長されて現行の時分になっている。
JR神戸線は大阪から姫路までの愛称であり、大阪−三ノ宮間は三社競合するものの、駅周辺や街の形成ではJR駅が後発といえる。JRの強みはどちらかといえば、神戸以西から大阪への連続性にあるのかもしれない。ここでも平行する山陽電鉄は苦戦している。

三ノ宮まで、「新快速」の停車駅は尼崎、芦屋の二駅
「快速」の停車駅は尼崎、西宮、芦屋、住吉、六甲道であり、ラッシュ時の兵庫以西の須磨、垂水、舞子に停車しない外側線運転の快速もある。
日中に乗ってみると、普通(緩行)はやけにすいている印象をうける。ゆったり座って行くなら、普通が贅沢で快適ともいえるのだが・・・。

新快速人気が定着し新快速はいつも混雑しているようだ。この路線の問題は混雑の平均化であろうか。JR西日本でも気になっているらしく、徐々に小さなダイヤの改善がある。
さて、長い前置きはこれくらいにして、出発することにしよう。

各駅停車の旅であるから、下り普通の西明石行か、あるいは新三田行に乗車しよう。
大阪から3.4km、淀川を渡って最初の駅が塚本駅となる。ホーム2面に4線あるのだが、あまりパッとしない駅。大阪市内駅のひとつである。以前から言っているのは福島に神戸線のホームを設けて、環状線との統合駅にするのが便利になるのだが、どうだろうか。

この線の近年の新設駅は西宮−芦屋間に「さくら夙川駅」と、芦屋−摂津本山間に「甲南山手駅」の新設があるのだが。
塚本駅は駅前も駅そのものも平凡な部類になるだろう。整備状況や駅勢圏を考慮しても5点満点の2点といったところ。

塚本の次は4.3kmで尼崎駅に着く。以前にも何度か書いたが大躍進したのが尼崎といえる。
JRの駅そのものも、JR東西線開業で大変貌を遂げたのだが、それに劣らず駅前周辺の街並みも激変した。去年にはCOCOE(ココエ)が開業して、駅北口の再開発が完成したようだ。

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JR尼崎駅が劇的に変貌した理由はJR東西線の開業にある。これによってJR尼崎駅はJR宝塚線を加えてクロス拠点になった。JR宝塚線も躍進したが、東西線によって大阪都心方面へのアクセスが大幅に改善された。
これは阪神なんば線開業もよく似た効果ともいえるが、どちらも梅田へのアクセス以外に、より深く大阪都心に食い込んだカタチになった。JRと阪神の二つでこうしたルートが開かれた意味はことのほか大きい。

これでJR尼崎駅北口の駅前風景は見違えるほどに改善された。駅前広場が整備され、駅を取り囲んでビルが並ぶ状況になった。こうした見た目、張りぼて観が重要といえる。JR尼崎駅の評価は4点としたい。

下り新快速は尼崎駅ではもっとも海側の1番線に発着する。同じ下りの三ノ宮方面の快速・普通はとなりの3・4番線に発着しているので同じホームでの接続はしない。
JR宝塚線とJR東西線とも複雑に同じホームで接続しているが、これは快速・普通ともに下り方は三ノ宮方面と宝塚方面、上り方は大阪・高槻方面と、京橋・四条畷方面が相互に接続しているので、どっちに乗っても、尼崎乗り替えで対応していることになる。
すこしややこしいが、大阪駅から立花に行く場合、宝塚行や新三田行であっても、乗ればいいことになる。尼崎に到着すると、東西線からの西明石行に同じホームで接続しているから、必ずしもピッタリ行先が合っていなくても、先に来た電車に乗ったらいいことになる。それを理解するのは毎日利用している通勤者くらいかもしれない。

次の駅は尼崎から4kmで立花駅となる。JR宝塚線が神戸線をオーバークロスし北方面に別れて、大阪駅から10.7kmで駅の所在は尼崎市。10年くらい前に再開発で高層ツインビルが駅南側に建てられた。「フェスタ立花」と呼ばれるショッピングゾーンがある。ちょっとした都会の駅の風情であろうか。尼崎駅が今のように立派になる前は立花駅の方が賑わいも勝っていた感じはあった。そもそもJR神戸線にそれほど大きな拠点になる駅はなかった。
各駅停車しか停まらない駅だが、大阪駅からわずかに三つ目だから、非常に駅間距離が長い。大阪−三ノ宮間でも十分に使えるのが、JR神戸線の普通といえる。座って行くという選択肢があってもいい。

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立花駅上りホーム。電車は松井山手行


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上りホームから見る再開発ビル

立花駅は都会度で及第点といったところ。評価は3点としておこう。
あまりにも長くなりそうなので、JR神戸線の第一回はここまでとしたい。
シリーズの続編はどうなるか未定だが、文章主体のため非常に時間を要した。連続して書けないかもしれないが、続けるつもりである。





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posted by 松村和弘 at 23:12| Comment(0) | JR神戸線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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