2010年07月13日

なにわ筋線事業化の残る課題

しつこいようですが、今回がシリーズ最終回になりますので、あとすこしのお付き合いをお願いいたします。

注目されていた梅田北ヤード先行開発区域は今年3月末着工された。工期3年は普通の工期よりすこし長いのだが、4棟同時立ち上りと駅前広場を含めた周辺整備に余裕を見てあるのだろう。
とにかく平成25年春街開きと決定している。来春が大阪駅の開業となり、そのあとに阪急百貨店の全面開業があって、北ヤードはそのあとだから、大物開業が続くことになる。
派手な箱もの開業が立て続けに続くので、世間の注目度もそれだけ高いはずである。
そんな派手さはないが着実に進める必要があるのが、なにわ筋線関連事業といえる。

大阪駅新北ビルも「陽は西から昇る・・・」さんによると、すっきり!完成形に近づいたようですね。

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なにわ筋線事業は決定には至ってないが、橋下知事から国土交通省に要望してから前進することになった。それによって関係者協議や調査も進められている。

JR西日本も大阪市も、態度を必ずしも明確にしていないが、これまでの経緯などをみてもどちらにも伝統的な考え方がある。大阪市は市内交通市営主義であり、JRには全国体系的な発想がある。
それらを踏まえての考察になる。JR西日本は、なにわ筋線事業でJR難波から新大阪につなぐことに利益を受けることはあっても不利益はない。JR西の態度も不透明であるが、行政が主体性をとるべきとすればやむをえないかもしれない。

JR西日本としては、大阪環状線の西側の大和路線、阪和線の乗入れが増加傾向にある。環状線との分離が望ましいこと。関空特急「はるか」などが単線の梅田貨物線を経由していることは暫定的ともいえる。とても正常な姿とはいえない。
そういう認識がJR西日本の経営陣にあれば、なにわ筋線事業に対する考え方は歓迎されていいはずといえる。「おおさか東線・新大阪−放出間」の開業時期を延期して2018年開業としたこと。同時におおさか東線未開業区間の新大阪−放出間を梅田−新大阪−放出間に延長したこと。これにより、北梅田−新大阪間がおおさか東線の一部に組込まれ、なにわ筋線と接続することになった。重複区間をなにわ筋線とせずに、おおさか東線の延長ととらえているのは、なにわ筋線が未定だからともいえるが、遅れることになれば、おおさか東線の延長として先行開業もありうるという考えともとれる。
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おおさか東線・学研都市線の重複区間、鴫野−放出間

もうひとつ、南海の乗入れ案が汐見橋ルート以外に、難波(なんば)ルートが浮上した。
たしかに南海としては汐見橋ルートよりも、難波ルートが有利といえる。これまでなんばの魅力アップの努力を無駄にしたくないはずである。わたしも汐見橋か、難波かとなると難波案支持としておきたい。

これらが注目されるところだが、それ以上に誰しも関心があるのは、なにわ筋線が完成したとして、運転系統がどうなるのか?(南海は難波接続と仮定)
そのときは「おおさか東線」も開業している前提になるのだが、かなり複雑な要素がからまっているので、興味のある問題といえる。

運転系統によって、それぞれの拠点となる街の盛衰に影響するからともいえる。「梅田」「難波」「天王寺」はもちろん、大きくは大阪そのものにもかなりの影響があるだろう。

わたしの予想をすこし書いておきたい。要点は以下の通り。
1:特急「はるか」「くろしお」はなにわ筋線経由か? 現状通り、西九条経由のままか。
2:特急以外の快速、普通のなにわ筋線乗入れ系統はどの路線からか?
3:なにわ筋線とおおさか東線は新大阪又は北梅田で分離されるか?直通するのか。
4:南海の特急ラピート、及び急行・普通はどのような乗入れになるのか?
とりあえず、こんな感じになるだろうか。北梅田駅は仮称で、じっさいには大阪(地下駅)になると予想される。
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写真は阪和線・関空紀州路快速

1:については「はるか」「くろしお」ともになにわ筋線経由とする。ユニバーサル・スタジオ連絡の西九条停車はなくなるが、北梅田停車で代替え。
2:阪和線系統の快速・普通の乗入れをメインとしたい。
3:おおさか東線は北梅田までは直通させたいので、北梅田止まりか、さらに直通する場合は環状運転も検討する。阪和線・大和路線からの系統は新大阪まで直通させる。
4:南海の乗入れ、直通の運転系統については難問になる。JRとの競合を考えると、事業化以前にこの問題の解決が必要ともいえる。妥協案としては南海は北梅田までの乗入れで決着させるべきだろうか。たとえば南海がなにわ筋線の建設費を全額負担するなら、新大阪まで乗入れもOKとか? つまり負担割合も含めた交渉が必要と感じる。
この問題は予想も難しく、よくわからない面が多いのでご意見をいただきたい。

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今回の参考リンクは大阪外環状鉄道です。
他に、新大阪駅、西吹田、淡路駅、京橋駅付近の写真
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新大阪

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西吹田

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淡路

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京橋付近





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posted by 松村和弘 at 13:40| Comment(0) | 都市交通政策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月05日

なにわ筋線・東海道線支線地下化のゆくえ:U

大阪情報サロンUから続きはコチラ、大阪専科ライブラリーに書くことにします。
大阪圏での鉄道新線計画として、事業化が注目される最大の案件がなにわ筋線である。
数年前に地下鉄今里筋線、阪神なんば線、京阪中之島線、JRおおさか東線が開業したあと、新規事業は途絶えた状態にある。

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表題の計画線はすべて、梅田北ヤード二期開発に関わる事業である。最近の報道では、大阪市は東海道線支線の地下化の都市計画を今年度中に決定したいとしていた。でも、これを単独で決定してよいものか?
なにせ、なにわ筋線という重要事業が未決定なので、東海道線支線地下化の北梅田駅(仮称)はなにわ筋線の駅と共通のものであることと、ルートも大部分で重複している。
なにわ筋線の計画なしに、東海道線支線の地下化はできないのではないか。時期がずれた場合は準備工事が必要になってくる。
大阪市がこの事業のみ急ぐ意味がよく分からない。大阪市はなにわ筋線事業に反対で、先手を打つつもりで都市計画決定を急ぐと読めないこともない。
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北ヤード付近の航空写真
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梅田貨物駅から豊崎、淀川鉄橋までのルート
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新大阪付近
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西吹田のおおさか東線がカーブして、梅田貨物線に合流する付近

東海道線支線というのは梅田貨物線と呼ばれている線で、吹田−梅田−西九条−安治川口に至る貨物線である。福島−西九条間は環状線に平行する単線である。なぜ、梅田貨物線を東海道支線と呼び変えなくてはならないのか。不可解であるといえる。
国土交通省近畿運輸局の調査によると、西梅田十三連絡線とともに、計画事業は可能とされているようだ。
東海道線支線地下化の意味となると、これもかなり複雑な要素がある。なにわ筋線をおいて考察すると、ひとつには貨物列車を廃止するのが前提となるが、2013年北ヤード先行開発完成・街開き時点で、梅田貨物駅の廃止が決定しているようだ。だが、これだけでは貨物列車の廃止にはならない。
梅田−西九条間の単線はなにも「はるか」「くろしお」のためだけにあるのではなく、梅田−安治川口間の貨物列車を通す、梅田貨物線である。つまり地下化するには安治川口貨物ヤードの貨物扱いをどうするのか?

じつは三つの事業以外に「おおさか東線」の北区間も関連事業といえるので、かなり複雑な問題をかかえた事業である。このおおさか東線の北区間の開業が、2019年春開通に遅れると大阪外環状鉄道は去年6月発表している。
同時に当初の計画を変更して、西吹田−新大阪−梅田まで、梅田貨物線を利用して新大阪から梅田に延伸すると発表している。これはおおさか東線北区間の開業を北梅田地下新駅の開業に合わせると読める。
これではっきりしたことは、なにわ筋線・新大阪−北梅田間、おおさか東線・新大阪−北梅田間は同じ線であり、梅田貨物駅−西吹田間の線路は梅田貨物線そのまま利用なので、すでに存在している。
あとは北梅田・地下新駅はルートを東にずらして地下ルートとする。西吹田からのルートは当初、東海道線の東側に横付けして、新大阪駅のホームも東側に増設することになっていたのを、梅田貨物線の線路に乗入れることに変更した。

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新大阪付近の東海道線を入れておきます。この付近は4複線で線路が8本になっています。
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東側にJR京都線の複々線があり、その西側に梅田貨物線の複線と北方貨物線の複線が並んでいます。梅田貨物線は新大阪〜梅田貨物駅に向かう線で、北方貨物線は淀川を渡らずに、東淀川から加島方面にスルーする短絡線です。写真は梅田貨物線の下りを行くELの単機回送。写っている駅は東淀川駅、外側線に転落防止柵設置工事をしていました。

これによって、新大阪のホームは西側に増設し、西吹田駅(仮称)からは東海道線をオーバークロスして、梅田貨物線に合流することになった。
つまり工事計画の遅れは、梅田北ヤード地下新駅開業に合わせる意味とも読み取れる。
これは、線路開通だけでなく、運転計画も煮詰めて行った結果、問題点が浮き彫りになったからの修正というべきかもしれない。
今回はこのへんで。




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posted by 松村和弘 at 12:45| Comment(0) | 都市交通政策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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