2010年04月26日

東京集中が日本を滅ぼす

「東京集中が日本を滅ぼす」は大阪都構想への道のりのカテゴリーですが、今回省略しています。
このタイトルの本の著者は八幡和郎、昭和62年9月10日初版発行、講談社
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蔵書のなかにこんな本もあったのですね。
ちょくちょくテレビでも拝見した人で、大津市出身、官僚であるが1997年退官。
初めて観たのは読売テレビで「パラダイム88」(上田篤・井上章一氏ら6人による座談会、録画VTRあり)。首都機能移転論議が盛り上がりを見せていた頃、読売テレビ本社で収録制作された。進行・台本が見え隠れしているが、稀にみる面白い番組といえた。

八幡氏は官僚の立場から、他の人の発言に回答するような立場でしょうか。出演者のひとりで「過疎を逆手に取る会」という地方の役場勤務らしき人が、地方は「オンリーワンを持つ必要がある」「それが食えることにつながる」の発言、だけど、
「大阪は新空港造れ、学研都市造れ」など、「東京の二番煎じばっかし」・・・
でも、造ったものは、「東京のより劣ってる」「劣ったものしか与えられてない」。
八幡:「違う、違う!」・・・
「総合大学の強みって、あるんですね!」「東京大学も京都大学も総合大学で、文学部も経済学部もいりませんって、普通考えないです」
「だから、すべて一通りのものが揃った都市が、東京以外にもある方が・・」
「日本に二つくらいはあるのがいい」

井上:「関西は没落する運命な気がする」「歴史的必然と思える」
「むしろ、躍進するGNP大国日本にあって、ひとり営々と没落の道を歩むのは、尊いことに思えます」
井上:「日本もさぼり病が蔓延する時代になったときに」
「他の地方に正しい没落のあり方を示す」「リーディングエリアになる可能性がある」
テレビの実況はこのへんにしますが。

この関西没落論は、後に「関西人の正体」という本で収録発表されている。
「関西人の正体」は私も買った。関空開港直後、関空見物で空港内の書店で発見して購入した。かなり大衆向きの本になっています。
この井上氏の本はいわば京都視点なんですね。大阪だと「没落がエエ!没落がエエ!」とは言ってられないですからね。
それ以後、私は大阪論、関西論の本はほとんど買わなくなった。買うに値する本が出ないのが理由といえば理由。

あ、そう。今回のタイトルの「東京集中が日本を滅ぼす」・・・
私もほとんど同感ですが「東京主義が日本を滅ぼす」としたいです。
これは次回にでも、私自身の思想を入れて書いてみたい。



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posted by 松村和弘 at 12:28| Comment(0) | 大阪都構想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月24日

◇大阪都構想への道のり:地球時代の大阪文化

昔の本を見てみたくなって、急に書庫の蔵書を漁ってみる気になったのです。これまで引っ越しなどで何度か処分したのもあるのですが、大事なのは置いてあるはずなので。
探してみると都市論などもありましたし、古い雑誌も出てきました。1980年代に発行されてた「オール関西」という雑誌も20冊くらいはありました。OBPが立ち上がる時代でしたから、OBP特集も何度かやってますね。カラー写真の多い雑誌でした。経済界を中軸にした雑誌でしたね。
惜しいのは関西のタイトル通り、核がぼやけているんですね。やはり大阪という核を強くする必要を痛感します。
梅棹忠夫の本もけっこう出てきました。このひとの本で10冊くらいありました。
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毎日放送のテレビ番組をみた私は、それまで知らなかった梅棹忠夫という人物に強く惹かれていたのです。何もかもが他の人物と違う。どんどん深みにはまってしまいました。京都のひとですが、ずいぶん大阪に肩入れされてました。
この時期が私は、事実上の大阪研究の第二段階のスタートとなったのです。当時、梅棹氏を調べてみると多くの著作があるのが分かったのです。それで書店・図書館からはては民博にも足繁く通いました。民博の売店には書籍がかなり揃っていたのです。
そのなかで「文明の生態史観」が過去に学界のみならず、世間に大きな反響を呼んだ論説であることも分かってきました。難しいタイトルが付いているけれども、内容もなかなか難解でした。「文明の生態史観」が分かれば、アインシュタインの相対性理論なんて小学生でも分かる感じ。
比較文明論。平易にいうならば、日本の世界での位置を論じた内容といえます。
しばしば、氏は日本はアジアではないと述べている。世界で見ても日本は西洋に並ぶ存在で、ヨーロッパとの同質性を述べ、それらを文明史的に説明した論文です。
よく口にされたのは「封建制を経験したのは日本とヨーロッパだけ」であると。それ以外の世界では高度な封建制が成立しなかったから、発達が遅れたのだとしています。
分かりにくいけれども、日本は世界でもトップクラスの国と書いてあるようだ。日本がまだまだ発展途上の時代であったから、この言い方はインパクトもあり、歓迎されたようです。ま、ナルシストというべきか、お国自慢というべきか。

前回の「大阪−歴史を未来へ」では、都市神殿論は本の一部分で、パネラー全員の発表、シンポジウムを収録しています。大阪は海女の文化の発言もあったのですが、これは漁業と農業は本質的に違うということです。漁業=商業、農業=工業で、漁民は商業をやるけども、農民は商業はやらない。国家や都市を考える場合も、この意味が重要になります。

で、今回表記の「地球時代の大阪文化」は読みやすくて、私のお気に入りの一冊だったのです。岸昌知事の時代に、府が大阪の文化を盛りたてたいと大阪府文化問題懇話会を招集した、アイデアを出す知識人の座談会です。委員は司馬遼太郎、田辺聖子、小松左京、上田篤、木村重信、吉田光邦、作道洋太郎、末次摂子、梅棹忠夫氏が座長となっています。
どっちかいうと座談会ですから、気楽に読める本ですが、これもいい勉強になりました。
大阪の出版社から発行、梅棹節が発言の中にちりばめられて、面白いです。究極の面白いことをいう人ですね。
良い意味でビックリ発言が多い。梅棹忠夫氏に比べたら、他の人は霞んでしまいます。発想が違う。へそ曲がり度が違う。
天才、非凡とは? 究極は平凡の中にあるもの、って感じがします。
それでいて、大阪びいきですからね。応えられません。

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「地球時代の大阪文化」1983年2月初版発行 発行:ブレーンセンター



posted by 松村和弘 at 11:50| Comment(0) | 大阪都構想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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