2010年10月26日

大阪圏鉄道沿線別現況レポート:JR神戸線(4)

JR神戸線《六甲道〜灘》
住吉から一つ目で、快速停車駅の六甲道となる。住吉よりも以前からの快速停車駅だった。ここまでくると神戸に入った感を強くする。
立派なコンクリートスラブの高架線が続いており、高架2面4線の駅の周囲は高層建築が立ち並ぶ。神戸東部では目立つ街になっている。
この駅は阪神大震災を抜きに語れない。阪神大震災で駅周辺の高架線は崩壊していた。駅のホームはガタガタに波打ち、高架のスラブは落橋していて、手の着けようもない状況だった。よく復旧したものだと思う。

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下りホームから三ノ宮方面

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駅南側、ウェルブ六甲道2番街

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駅北側

震災前から何度かきたこともあったが、もう震災前の街並みなども思い出せない。おそらく、今見る駅の周囲は震災後の再開発で整備されたのだろう。住吉駅が東灘区の中心であるのに対し、六甲道駅は灘区の中心といえそうだ。
駅南側にはウェルブ六甲道「1番街」と「2番街」の二つの高層建築がそびえ立っている。先に西側の1番街が建てられた。阪神高速神戸線を大阪方面に走ると、摩耶付近からよく見える。塔屋がオーバーハングした特徴的な外観なので、すぐにそれと分かる。

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北側から高架駅とウェルブ六甲道を望む

JR線と国道2号線とは100m程度といったところ。震災後はこのあたりで集中的に再開発工事が進んだ。いくつもの高層マンションが再開発で建てられ、きれいな街区になっている。震災によってチマチマした街はなくなり、高層ビル群を持つ街並みに変貌したようだ。

阪急六甲駅も近いが、山に上がる道路は六甲ケーブル下駅や表六甲ドライブウェイへも続いており、中腹には神戸大学・鶴甲団地といった住宅団地もひかえている。
海側に下ると阪神の新在家駅、国道43号が走っている。
【六甲道駅】
大阪から:25.9km
乗車人員:25,366人/日
駅ランク:4

ここまでくると、もう三ノ宮も近いが、JR西から駅新設のニュースリリースがあり、六甲道−灘間に新駅を計画しているとあった。駅名は「まや」(仮称)と平仮名書きにしていたが、摩耶が普通と思えるが、どうだろう。
新設予定の駅は東灘信号場付近に計画され、JRの敷地などを利用したJR自体が計画したようだ。

次の駅は灘駅である。六甲道から西へ、国道2号を走ると、国道は大きく海側に左カーブとなって、国道43号と合流するのだが、その左カーブに信号があり、直線的に進むとJR線を越える跨線橋がある。山手幹線と国道2号を結ぶ道路になっているのだが、そのすこし西にある駅が灘駅で、灘はすこしややこしい。山手幹線は阪急神戸線と交差し王子公園駅がある。

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改修工事中の灘駅北口

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ホーム上屋はレール使用の古い様式。見えにくいがすこし低い位置になっている。

海側の阪神岩屋駅は地図で見ても非常に近い。さらに海側には国道の海寄りに「HAT神戸」なる新しい街が広がっている。このあたりは「HAT神戸」の東寄りになるが、岩屋のちょうど南の摩耶海岸通に、安藤忠雄の建築で有名な兵庫県立美術館がある。

そのすこし西には、「人と防災未来センター」など震災復興による施設が並んでいる。高層住宅以外はこうした公共施設が占めており、ある意味壮観な施設群といえる。
「HAT神戸」は神戸港寄りから整備され、浜手バイパスに沿って高層住宅棟がひしめき、阪神高速神戸線の摩耶−生田川間では壮観な眺めが望める。

現在は東端の摩耶付近まで整備はほぼ終了した。きれいに整備された震災復興事業であるが、その効果のほどは?
賑わいはどうかというと、賑わっていないし、賑わうはずもない。なんせ住宅街なのだから、賑わう必要もないといえるのだが、「東部副都心」というはったりの名称を見ると、住宅街で「副都心はないだろ」という気になってくる。

そもそも、震災後しばらくしたら、やたら「HAT神戸」の名前を見るようになった。意味も知らないのに「HAT神戸」の高層住宅の工事を三つほどこなした。その中には安藤忠雄設計の神戸市営住宅も含まれていた。新しいのは摩耶シーサイドプレース○番街という仮称だった。
このきれいな街区の中に、降ってわいたように派手なヤマダ電機(テックランド)神戸本店があった。住民を相手の店舗だから仕方ないが、景観破壊になっている。
HATの意味は調べてはじめてわかったのだが、「ハッピー・アクティブ・タウン」の意味らしい。調べないと永遠に知ることもなかった。

大阪からはじまったようなアルファベット略号だけど、OBP・OAP・ORCあたりまでにしとかないと、やりすぎもどうかと思ったりする。
「HAT神戸」開発の初期に、浜手バイパスに平行していたJRの貨物線(神戸港線)は廃止されて、HAT神戸の高層住宅街に出やすくなった。
住吉から神戸市街に近付くにしたがって、高級住宅地の雰囲気から旧市街の猥雑感のある住宅地に変化していく。震災で破壊されて、すべてきれいになるかというと、そうでもないようだ。

神戸市の市域は海岸だけを見ても、長く広い。市街地は須磨で途切れるが、市の境界は甲南山手から舞子まで、なんとJRのキロ程で27.6kmに達する。
【灘駅】
大阪から:28.2km
乗車人員:22,047人/日
駅ランク:3





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posted by 松村和弘 at 13:28| Comment(0) | JR神戸線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月18日

大阪圏鉄道沿線別現況レポート:JR神戸線(3)

《甲南山手〜住吉》
芦屋のつぎは甲南山手駅。芦屋川をくぐり抜けて、5〜600メートルも走ると神戸市東灘区に入る。芦屋市との市境に近い、神戸市になっていきなりの駅が甲南山手駅である。
山側の駅北口は、駅前ロータリーを備えた高架駅のつくりになっていた。道路は山手幹線だが、芦屋川で途切れて行き止まりになっている。

平成8年10月開業の比較的新しい駅というから、JRの高架も駅前広場も、新しいコンクリートの雰囲気を残している。閑静な住宅が続くのも、芦屋との属性のマッチか。うまい具合に阪急芦屋川と岡本との中間に駅がある。

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甲南山手駅北側から

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駅から山側を見る

どういう経緯があったか知らないが、阪神大震災が平成7年だから、いわばどさくさの翌年の10月開業している。
復旧ついでに「つくっちゃいました」って感じというべきか? 「ころんでもタダでは起きない」というべきか。
じっさい神戸市東灘区の山寄りは高級住宅街。阪神間モダニズムの雰囲気を色濃く残した地域といえる。
【甲南山手駅】
大阪駅から 20.6km
乗車人員/日 10,216人
駅ランク:2


つぎの駅は1.5kmで摂津本山駅。この駅に来たのは初めてだった。乗り降りしたのももちろん初めてになる。
私は電車・クルマの両刀使いなので、クルマでもこのあたりはよく走ったことがあった。
やはり電車とクルマでは、見えるものがちがう。
電車で見えないものがクルマだと見えるし、逆もいえる。
今回の取材は迷ったのだが、クルマで神戸まできたのだった。あまり取材費用もかけられないのも理由になる。阪神高速環状線から神戸線の芦屋出口まで、ETC利用。

それで、駐車場を探したが、摂津本山駅近くに絶好の時間貸駐車場を見つけたので、やれやれだった。
国道2号と山手幹線をグルグル回ったりしたが、周辺市街地の成熟度はかなりのものと見えた。走ったことのある道路にしても、今回は本気の取材だから見る目もちがったかもしれない。ひとつひとつの駅が雰囲気も拠点性もあるようにも見えた。

正直、都会度において、大阪と比較するとどこも見劣りするのが現実なのだが、東灘区はそうではなかった。しかも高級住宅地を後背地に持つ雰囲気が出ている。
JR神戸線の北側には山手幹線、すこし行くと阪急岡本駅も300メートルほどの距離である。
クルマを置いたので、摂津本山駅を拠点に電車での取材に切り替えた。

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南口駅舎

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北口駅舎、ホームから

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南口側の駅前

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駅から南側正面

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マンション1階の店舗

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周辺の街並み、駅南側

この摂津本山駅は私にとって好ましい駅だった。南口も北口も駅舎が瓦屋根の寄棟、方形平屋建築だった。南口の駅前ロータリーは全体が公園風のつくりで、道路も舗道もタイル貼り。
マンション1階はゲタバキ店舗だが高級感もあり、ベンチまで置いてあった。正直うらやましい感じ。各駅停車しか止まらない駅なのに、良すぎるくらいか。

駅の規模は大きくないが、駅整備のお手本のひとつとしておきたい。行政のかかわる部分でひと味ちがう手腕があるかもしれない。
【摂津本山駅】
大阪駅から 22.1km
乗車人員:22,740人/日
駅ランク:3

摂津本山から電車で移動する。まず、つぎの住吉駅まで。国道2号線はときどきクルマで走るので、「KiLaLa住吉」があるのは知っていたし、仕事でも何度もきたことはあった。
山手幹線をクルマで走ると、雰囲気がいいのは住吉川あたりだった。
摂津本山から、西側は六甲道の北側の交差点「六甲口」まで。東へは芦屋川で貫通せずに行き止まり。

住吉駅で降りることにした。六甲ライナーの始発駅を付属した駅の構造は三ノ宮とよく似た配置になっており、ちがうのは橋上駅に神戸新交通・六甲ライナーの駅が直結していること。
六甲ライナー乗り換え駅として、六甲道に続いて平成2年から快速の停車駅になった。

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住吉上りホームから大阪方を望む

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207系松井山手行の各駅停車

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六甲ライナー乗場は橋上駅に直結

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橋上駅とKilalaを結ぶ連絡通路から三ノ宮方面

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2号線から南側

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2号線から六甲道方面。高層マンションは「御影タワーレジデンス」

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2号線から大阪方面。住吉川には六甲ライナーの高架橋がある。

以前に芦屋川の天井川は珍しくないと書いたが、住吉川もJRの線路は川の下をくぐる。電車の車窓を眺めていると、高架線や掘割があったり変化に富んだ風景が展開する。神戸市東灘区なのだが、神戸とはまたちがった雰囲気を感じる。大阪とも神戸ともちがう雰囲気はやはり阪神間モダニズムかもしれない。

ここも国道2号線がすぐの場所で、ついついキララの高層ビルにつられたのか、南口側に出てしまった。
駅ビル自体は北口側で、正面は北口のようだったが、うっかり見落とした。
北口は周辺がマンションと戸建て住宅の混在する地域といえたが、マンションも比較的低層の周辺にマッチした雰囲気のいい外構のマンションが多い。

南口はただの橋上駅とキララがあるだけだった。遠目に目立っただけということか。
阪急はすこし西寄りに御影駅がある。阪急より山側の中腹にあるような住宅地は尾根と尾根を越えて広がっており、生駒などと比べてかなり高い場所まで開発された感がある。

六甲アイランドもはやくから開発が進んだ。当時の神戸市は勢いに乗っていた。
「海の手・六甲」などのキャッチコピーもあったが、埋立地の高層マンションの住み心地はどうなのか? 香港を連想するような超モダンな高層ビルがあったりするが、あまり話題になることもなくなった。
前回まで原稿量がおおくなり過ぎたので、JR神戸線(3)はここで区切りとしたい。
【住吉駅】
大阪駅から 23.7km
乗車人員/日 36,882人
駅ランク:4





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posted by 松村和弘 at 18:08| Comment(0) | JR神戸線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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